TOP-HAT News 第183号(2023年11月)

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TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)
        第183号(2023年11月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発マガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部

◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆
1 はじめに 『俯瞰的視点』と『ローアングル』

2 東京と大阪で2つのエイズウィークス

3 劇団俳優座が12月に『閻魔の王宮』を上演

4 《+PEOPLE 2023+》エイズ学会市民向けプログラム

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1 はじめに 『俯瞰的視点』と『ローアングル』
日常の会話で『上から目線』が頻繁に登場するようになるのはいつごろだったのか。調べてみると歴史は浅く、21世紀に入ってからのようです。
そもそも『目線』自体がちょっと前まで、なじみの薄い単語でした。NHK放送文化研究所が発行する『放送研究と調査』2008年6月号には《『目線』『立ち上げる』も日常語に ~平成19年度「ことばのゆれ」全国調査から~》という報告が掲載され、サマリーには次のように書かれています。
『比較的新しい表現であるとされてきた「目線」ということばについて、多くの人が違和感を覚えていない』
もともとは芸能界などで使われてきた業界用語が、一般にも普及するのは、つい15年ほど前のことでした。『上から目線』の普及もおそらくこのころからでしょう。
ニュアンスとして微妙な差異はありそうですが、相手を見下すような発想や視点に対する批判はいま、国際的にも強くなっています。
前号でも少し紹介した国連合同エイズ計画(UNAIDS)の2023年世界エイズデー国際キャンペーンのテーマは『LET COMMUNITIES LEAD(コミュニティ主導でいこう)』です。
テーマ自体は8月に公式サイトの特設ページで公表され、その時の説明によると、「10月にはキャンペーン素材が出そろう」はずでした。ただし、その説明は途中で10月から「11月中」に書き換えられています。API-Net(エイズ予防情報ネット)に日本語仮訳が掲載されているので覧ください。
https://api-net.jfap.or.jp/status/world/booklet073.html
キャンペーンの素材については次のように説明されています。
《配色やフォントは、7月に発表したGLOBAL AIDS UPDATE2023『エイズ終結への道』(UNAIDS年次報告書)と響き合っています。メッセージの継続性を重視するからです。画像も『エイズ終結への道』と響き合うデザインコンセプトを採用しましたが、人びとの列を上から見下ろす視点から、見上げる視点、より正面から見る視点へと移行しました。コミュニティのリーダーシップを強調するためです》
どんな違いがあるのでしょうか。7月の年次報告書の表紙はこちらでご覧ください。
https://www.unaids.org/en/resources/documents/2023/global-aids-update-2023
UNAIDSの世界エイズデー2023メインビジュアルはこちらです。
https://www.unaids.org/en/2023-world-aids-day
『響き合う』と言われれば、響き合っています。ただし、かなり大きく変わっている印象でもあります。俯瞰図とローアングル。どちらも必要な『目線』ですが、今回はテーマの『コミュニティ』を強調し、『上から』の批判を受けることがないように配慮している。そんな印象もまた強く受けます。


2 東京と大阪で2つのエイズウィークス
 12月1日の世界エイズデー前後には毎年、国内で活動するHIV/エイズ分野のNPOや自治体を中心に様々なイベントが実施されます。その動きを集約し、情報の共有をはかるために東京と大阪で今年もエイズウィークス(2023年版)のウェブサイトが開設されました。12月1日を挟んだ1週間ではなく、エイズウィークスと複数形になっているので、期間にはかなり幅があります。
 
TOKYO AIDS WEEKS 2023の公式サイトはこちらです。
  https://aidsweeks.tokyo/ 
 《12月1日の世界エイズデーの前後に、様々なNGOやグループと連携して、webやSNS上で流れるHIV/エイズに関連する情報をこのサイトが“ハブ(hub)”となり、情報発信をします。ぜひ最新の知識やリアルな声にふれてみてください》

 OSAKA AIDS WEEKs 2023はこちら
 https://osaka.aids-week.com/ 
 《大阪エイズウィークスは、市民のエイズへの関心を高めて感染拡大を防ぐとともに、感染した人々も安心して暮らせる社会の実現を目指す週間です》


3 劇団俳優座が12月に『閻魔の王宮』を上演
中国では1990年代に河南省などで売血による輸血用血液を集め、血液成分を分離収集する作業の過程で、安全性を無視して効率化を図るあまりHIV感染が大きく拡大する事件がありました。
このHIV集団感染事件を取り上げた戯曲『閻魔の王宮』が12月20日から27日まで、東京・六本木の俳優座劇場で上演されます。公演は劇団俳優座の創立80周年記念事業の一つでもあり、公式サイトには次のように紹介されています。
 https://haiyuza.net/performances23/enma/ 
 『経済的利益と人の命、選択を迫られた時、私たちはどうするべきか』
 数十万人に影響を及ぼした中国・河南省H I V集団感染事件を題材にした問題作
 劇団俳優座が本邦初上演!
 2019年ロンドン・ハムステッドシアターにて初演
 原題『The King of Hell’s Palace』
 (劇団俳優座公式サイトから)
 あらすじやキャスト、詳細な上演日程などは上記サイトをご覧ください。


4 《+PEOPLE 2023+》エイズ学会市民向けプログラム
第37回日本エイズ学会学術集会・総会初日の12月3日午後3時から9時まで、京都駅八条口の龍谷大学響都ホールで、市民向けプログラム《+PEOPLE 2023+ HIV感染症がつなぐ人々~今に生きる40年の歴史とこれから》が開催されます。
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《+PEOPLE 2023+》は、12月3日(日)~5日(火)に京都で開催される日本エイズ学会の市民向け公式プログラムです。アート作品の上映とHIV/エイズの40年の歴史やそこに生きた人たちと出会うことで、HIVについて知り・考え・つながることを目指しています。
 (公式チラシから)
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 ホールでは、ビジュアル・エイズ短編映像集《Everyone I Know Is Sick 》の上映、およびダムタイプ《S/N》記録映像上映とトークが予定されています。ホール入場には整理券が必要で、当日15時からホールロビーで配布されます。
 また、ホールロビーでは「メモリアル」「ドキュメント」「アクション」をテーマにした展示と交流のイベントも企画されており、展示は整理券なしでどなたでもご覧いただけます。

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