TOP-HAT News 第173号(2023年1月)

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TOP-HAT News(トップ・ハット・ニュース)
        第173号(2023年1月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発マガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに 場所の制約を超えて 『ぷれいす東京News』から

2 『Dangerous inequalities(不平等の危険)』 UNAIDS世界エイズデー2022報告書

3 今年は京都 日本エイズ学会学術集会・総会

4. エイズ発生動向年報アーカイブ

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1 はじめに 場所の制約を超えて 『ぷれいす東京News』から
HIV陽性者の支援やHIV感染予防の啓発活動に取り組んでいる認定NPO法人ぷれいす東京が季刊のニュースレター『ぷれいす東京News』の2023年新年号を発行しました。公式サイトのお知らせページでPDF版を見ることができます。
https://ptokyo.org/news/15578
巻頭は、生島嗣代表の『30年目を迎えるにあたって』です。1994年4月に活動を開始しているので、今年4月に30年目の1年が始まります。
《最初は10人前後であったぷれいす東京のスタッフ数は、昨年3月末で、251名(うち正会員61名、活動会員190名)、そして、事務所もフルタイム・スタッフ2名、パートタイム5名と多くの人たちが参加する団体へと大きく成長してきました》
10人前後でスタートした時の代表は池上千寿子さん、そして18年目の2012年5月に第2代代表となったのが生島さんです。
この間、社会的視点からコミュニティに基盤を置くHIV/エイズ研究にも力を入れ、コミュニティ主導の研究分野でも大きな成果を上げてきました。2006年には池上さんが第20回日本エイズ学会学術集会・総会、2017年には生島さんが第31回日本エイズ学会学術集会・総会の会長をそれぞれ務めています。
2017年の第31回エイズ学会はU=U(抗レトロウイルス治療で体内のHIV量が検出限界値未満になれば他の人への感染は起きない)キャンペーンを国内で初めて紹介し、注目の学会となりました。
ぷれいす東京NEWSの新年号で、生島さんは2022年を振り返り「オンラインでのミーティングやセミナーの開催、動画の配信など、実践しながらノウハウを蓄積した年でもありました」としたうえで次のように述べています。
『元々オンラインは、コロナ禍における対面の代替手段、マイナスをカバーする道具として使い始めました。しかし、距離を超えて、多様な人が繋がれる、小グループでのトークが簡単にできるなど、オンラインの良さも実感するようになりました』
最近は会場参加とオンライン参加を併用するハイブリッド方式も増えています。
ぷれいす東京の「ぷれいす」は「Positive Living And Community Empowerment」の頭文字「PLACE(場所)」に由来しています。勝手な解釈で恐縮ですが、「集まる場所があることが、前向きに生きていく力になる」といった意味でしょうか。
ところが、コロナの流行は、一つの場所に集まること自体が困難な事態をもたらすことになりました。
由々しき試練ですが、実はこれは社会の様々な場面で、様々な人たちがいま、現在進行形で体験していることでもあります。Safer SexやGIPA原則、コミュニティ主導の研究など、エイズ対策はこれまで、逆転の発想で数々の困難と試練を乗り越えてきました。「ぷれいす東京」もまた、「距離を超えて、繋がる」ための新たな技術と創意工夫で、30年の経験の蓄積をより広く生かす機会を獲得しようとしています。


2 『Dangerous inequalities(不平等の危険)』 UNAIDS世界エイズデー2022報告書
国連合同エイズ計画(UNAIDS)は毎年12月1日の世界エイズデーに合わせて報告書を作成しています。2022年報告書『Dangerous inequalities(不平等の危険)』は11月29日、アフリカ東部・タンザニアのダルエスサラームで発表会見が行われました。
そのプレスリリースおよび報告書冒頭の「はじめに(ウィニー・ビヤニマUNAIDS事務局長のあいさつ)」「序章」はAPI-Net(エイズ予防情報ネット)で日本語仮訳をダウンロードできます。
《7月の年次報告書グローバルエイズアップデート2022『IN DANGER(危機的状況)』で強調した危機認識を踏まえ「じゃあ、その危機をもたらしているものは何か」に答える内容です》(API-Netの紹介文から)
タイトルは直訳すると『危険な不平等』になります。不平等はそもそも社会の安全を脅かすものではありますが、なかでもUNAIDSがエイズ対策を妨げる『危険な要因』として、この報告書で焦点を当てているのは『ジェンダーの不平等』『キーポピュレーションが直面している不平等』『小児と成人の間の不平等』の3つの不平等です。詳しくはAPI-Netの下記ページをご覧ください。
https://hatproject.seesaa.net/article/494243880.html


3 今年は京都 日本エイズ学会学術集会・総会
第37回日本エイズ学会学術集会・総会の公式サイトが公開されました。テーマは「エイズなき世界を目指して」です。
https://www.c-linkage.co.jp/aids37/
《COVID-19のパンデミックは、改めて感染症の脅威を知らしめたと同時にそれに対する社会の対応が問われています。エイズ/HIV-1感染症も、今一度、原点に返り、「エイズなき世界を目指して」、基礎研究におけるウイルスの制御・疾患の治癒、臨床におけるよりよい患者ケア、そして社会における疾患、そして差別の根絶に向けて、の大きな議論ができればと存じます》(主催者あいさつから)
会期は22023年12月3日(日)~5日(火)。会場はリーガロイヤルホテル京都ですが、遠隔地からも参加しやすくするためハイブリッド開催を予定してます。


4. エイズ発生動向年報アーカイブ
厚生労働省エイズ動向委員会が集約した毎年の新規HIV感染者・エイズ患者報告の概要、および分析の結果が、1999年(平成11年)分から2020年(令和2年)分まで、API-Netの『過去の年報』のページでダウンロードできます。
https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/nenpo_old.html
また、現時点での最新版=2021年(令和3年)分はこちらで見ることができます。
https://api-net.jfap.or.jp/status/japan/nenpo.html



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