TOP-HAT News 第171 号(2022年11月)

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        第171 号(2022年11月)
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TOP-HAT Newsは特定非営利活動法人エイズ&ソサエティ研究会議が東京都の委託を受けて発行するHIV/エイズ啓発マガジンです。企業、教育機関(大学、専門学校の事務局部門)をはじめ、HIV/エイズ対策や保健分野の社会貢献事業に関心をお持ちの方にエイズに関する情報を幅広く提供することを目指しています。
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エイズ&ソサエティ研究会議 TOP-HAT News編集部


◆◇◆ 目次 ◇◆◇◆

1 はじめに 『平等に』 UNAIDSの世界エイズデー2022キャンペーン

2 キャンペーンのポスターから

3 HATプロジェクトが引っ越し

4 東京と大阪でエイズウィークス

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1 はじめに 『平等に』 UNAIDSの世界エイズデー2022キャンペーン
前号に続き世界エイズデー(12月1日)について書きます。国連合同エイズ計画(UNAIDS)は11月7日、世界エイズデー2022キャンペーンの特設ページを公式サイトにアップしました。今年のテーマは『Equalize(平等に)』です。
https://www.unaids.org/en/2022-world-aids-day
特設ページは英語、フランス語、ロシア語、スペイン語で見ることができます。また、ソーシャルメディア用のビジュアル素材にはポルトガル語バージョンもあります。
日本語のページはないので、エイズ&ソサエティ研究会議が趣旨説明要旨の仮訳を作成し、HATプロジェクトのブログに掲載しました。参考にしていただければ幸いです。
https://hatproject.seesaa.net/article/493371036.html
《「Equalize(平等に)」のスローガンは行動を促すものです。不平等に終止符を打ち、エイズ終結を実現するために、効果が実証されている具体的なアクションを私たちすべてに求めています》
英語の「Equalize」は動詞です。行動を促す以上、メッセージもまた動詞でなければならない。用語選択には、そうした意志が込められているのかもしれませんね。ただし、日本語の場合、「平等にする」「等しくする」などと訳すより、「平等に」の方がより簡潔に動的なメッセージ性を伝えることができるのではないか。そう考えて動詞にはこだわらずに訳しました。
エイズ対策にもコロナ対策にも共通して言えることですが、重大な感染症の流行に直面して対応するには、まず医療や予防サービスへのアクセスを誰に対しても平等かつ公平に確保できるようにすることが大切です。UNAIDSの特設ページでも真っ先に『HIVの治療・検査・予防のサービスを誰もが受けられるようにするため、サービスの利用可能性も質も適合性も高めていきましょう』と呼びかけています。
ただし、医療の進歩や普及は対策の根幹をなす極めて重要な要素ではありますが、それだけでパンデミックを終結に導くことはできません。医療の進歩に支えられたサービスを社会の中でどう位置付け、広げていくかという大きな課題が残っています。
感染症の流行から受ける影響を一段と厳しいものにsている社会的な差別やスティグマを解消すること、対策の障壁となっている法律の撤廃や政策の変更を促すこと、そして対策の重要な担い手であるキーポピュレーション(流行に大きな影響を受けている人たち)のコミュニティを支えることへと行動の枠は広がっていきます。
治療は進歩しました。予防の方法もあります。エイズ対策40年の経験を重ね、それでもなお、エイズの流行は危機の状態を脱していません。それはどうしてなのでしょうか。
少々、我田引水気味になるのを承知であえて言えば、前回紹介した国内キャンペーンのテーマ『このまちで暮らしている。私もあなたも』と根っこの部分でつながっているように思います。コミュニティアクションのサイトに掲載されている国内啓発キャンペーンテーマの趣旨説明も改めてご覧ください。
http://www.ca-aids.jp/theme/
《対策の選択肢は病気によって異なります。その選択肢を生かしつつ、感染している「私」も、していない「私」も、ともにこのまちで、この社会の中で暮らしている。そのことをもう一度、伝えていきましょう》
感染症対策の鍵は排除ではなく、信頼である。コロナウイルス感染症COVID-19の流行という新たな試練を経験し、国内、および国際的に採用されたメッセージのこの共通性に注目しつつ世界エイズデーを迎えていただければ幸いです。


2 UNAIDSのポスターから
UNAIDSの特設ページで紹介されているSNS向けのビジュアル素材をみると、様々な人がそれぞれのメッセージを書いたボードを掲げているポスターがあります。試みにそのメッセージを日本語にしてみましょう。
・ 非犯罪化で命を救う
・ すべての人の人権をまもろう
・ すべての少女と少年が学校に通えるように
・ 愛は愛です
・ コミュニティ主導で
・ 医療費の自己負担をなくし、すべての人に健康を
・ 利益よりも人を優先:医療技術の成果を共有しよう
・ 人種差別と闘おう
・ すべての人に治療を
・ 子供を誰一人、置き去りにしない
ポスターのダウンロードはこちらから
https://trello.com/c/VxGpnduZ/11-posters


3 HATプロジェクトが引っ越し
報告が後先になりましたが、HATプロジェクトのブログが引っ越しました。新ブログはこちらです。
https://hatproject.seesaa.net/
2004年7月にバンコクで開かれた第15回国際エイズ会議の講演『資金メカニズム検証』に関する報告(掲載日2005年1月13日)以来、すべての投稿が引き継がれています。18年にわたって蓄積された投稿数があまりにも多いため(本数を数えようとしましたが、断念しました)、初期の投稿の検索には少々、時間と手間がかかるかもしれませんが、少しずつアーカイブ検索の機能充実もはかっていきます。


4 東京と大阪でエイズウィークス
12月1日を中心にした数週間のHIV/エイズ関連イベントやキャンペーンを紹介するTOKYO AIDS WEEKS(東京エイズウィークス)2022とOSAKA AIDS WEEKs(大阪エイズウィークス)2022が今年も展開中です。エイズデーの1日だけでなく、1週間の限定でもなく、もう少し幅を持たせています。
そもそも世界エイズデーは1988年1月にロンドンで開催された世界エイズ対策保健大臣会議で設定が正式決定し、その年の12月1日が第1回となりました。
つまり政治主導で生まれた記念日ではありますが、それが世界に広がったのは、HIV陽性者やエイズで亡くなった人の家族・友人といった人たちを含む様々な立場の人が、それぞれの思いを託して幅広くイベントを企画し、参加してきたからにほかなりません。
2つのエイズウィークスは東京、大阪という大都市を起点にしていますが、紹介されているイベントは2つの都市で開催するものに限定されているわけではありません。期間も参加する人たちも、幅広い包摂性によって成り立っている。あえて最大の特徴をあげるとすれば、そうした点にあります。詳しい情報はそれぞれの公式サイトをご覧ください。
TOKYO AIDS WEEKS 2022
https://aidsweeks.tokyo/
OSAKA AIDS WEEKs 2022
https://osaka.aids-week.com/


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